『テスカトリポカ』佐藤究/おすすめ本!感想あらすじ

 

第34回山本周五郎賞受賞

第165回直木賞受賞。

17年ぶり、史上2度目のダブル受賞

目次

感想

こんにちは。 月子です。
今回ご紹介させて頂く本は
佐藤究さん著作の
『テスカトリポカ』です。

本を閉じてまず
と、と、と、とんでもないものを読んでしまった‼︎と
言わずにはいられませんでした。


あまりの恐ろしさに
震え上がりながら読みました。

まことに面白かったです。

550ページの超大作ですが
圧倒的なエンターテイメント性があり
無我夢中で一気に読みました。

麻薬密売、臓器売買、信仰?
んんん???となりそうですが
違和感が、まるでありません。

知識も圧倒的で
知らない世界に驚愕させられました。

✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・

タイトルのテスカトリポカとは
生贄の心臓を求める
アステカ王国の神です。

アステカの旧暦に則り
全五十二章で構成されているのが
またニクイ演出です。

物語の主要人物バルミロは
先住民の血をひく祖母の影響で

この古代の神を信仰し

それにより
犯罪とアステカ信仰が繋がってゆきます。

現われ出た、その妖しい魔術的世界に

気がつくと
グイグイと引き込まれて
釘付けになっていました。

古代より人類の関わってきた血の祭祀。
捧げる狂気の儀式。
人類はその文明の礎を
隠そうとでもしているかのようですが
世界中に人身供犠の伝説は伝わっています。

残念ながら日本にも、人柱など
生贄を捧げる信仰があったそうです。

読みながら
洗脳の力と、恐ろしさに
おののき・・・

そして、人類の暴力性について
考えさせられてしまいました。

✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・

“直木賞の長い歴史の中に燦然と輝く黒い太陽(宮部みゆき)“

宮部みゆきさんのコメントに
本作の真髄がぎゅっと詰まっていると思いました。

まさに黒い太陽です。

そして、史上もっとも恐ろしい
直木賞受賞作品だと思います。

あまりの闇の深さに
好き嫌いがかなり分かれそうですが

山本周五郎賞、直木賞、W受賞に納得の
傑作の中の傑作でした!

忘れられない衝撃の一冊です。

よろしければあなたも是非
手に取ってみてくださいね。

ご一緒に
読書という至福の世界へ
旅しましょう。

おしまい。

✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・

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あらすじ

抗争に敗れた亡国の麻薬密売人。


医学会を追われた天才心臓外科医。


孤独な少年は

彼等と出会い
暗黒の資本主義世界へと
足を踏み入れる。

誰も見たことのない
悪夢と祝祭が幕を開ける。

(ソース:カドブン)

メキシコのカルテルに君臨した
麻薬密売人(ナルコ)の
バルミロ・カサソラは、
潜伏先のジャカルタで
日本人の臓器ブローカーと出会う。


二人は新たな臓器ビジネスを
実現させるために日本へ向かった。

川崎に生まれ育った天涯孤独の少年
土方コシモは、バルミロに見いだされ
知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく_。

海を越えて交錯する運命の背後に
滅亡した王国の恐るべき神の影がちらつく。

人間は暴力から逃れられるのか。

(帯より)

著者紹介

佐藤 究(さとう きわむ)
1977年9月13日 生まれ
旧筆名は佐藤 憲胤(さとう のりかず)

福岡県福岡市に生まれる。
福岡大学附属大濠高等学校卒業。

友人の叔父が経営する会社で働く中で
詩人の河村悟に教示を受ける。

もっとも、佐藤自身は<教示>という「記述からは
師と弟子という関係が読み取れる」として、

「私としては、河村氏を師だと思ったことはない」

「教えを乞わずに、あくまで「勝手に」学んだのだ」と述べている。

2004年、「サージウスの死神」が第47回群像新人文学賞の優秀作に選ばれる。

その後、「佐藤 憲胤(さとう のりかず)」名義で
2冊の単行本を刊行し、執筆を続けるも
「純文学の世界で十年以上を不良在庫として」過ごす。

この間、警備員の仕事や、郵便局の仕分けで糊口をしのぐ。

2015年、誰に頼まれたわけでもないゾンビ小説を書いて、
知己の編集者にその作品の話をしたところ
江戸川乱歩賞への応募をすすめられる。

 この時の事について、
新人からやり直したらどうかという
意味合いを受け取ったと語っている。

2016年、「犬胤 究(けんいん きわむ)」の筆名で書いた
「QJKJQ」が第62回江戸川乱歩賞を受賞。筆名を「佐藤 究(さとう きわむ)」に
改名し、刊行された。

2018年、『Ank: a mirroring ape』で
第20回大藪春彦賞、第39回吉川英治文学新人賞を受賞。

2021年、『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞受賞、第165回直木賞受賞。

17年ぶり、史上2度目のダブル受賞だった。

趣味は、フィギアやプラモデルの組み立て。

(ソース:ウィキペディア)

受賞歴

2004年、佐藤憲胤名義『サージウスの死神』
第47回群像新人文学賞優秀作

16年『QJKJQ』
第62回江戸川乱歩賞を受賞。

18年、『Ank: a mirroring ape』
第20回大薮春彦賞

第39回吉川英治文学新人賞を受賞

21年、『テスカトリポカ』
第34回山本周五郎賞受賞

第165回直木三十五賞受賞。

(ソース:カドブン)

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