出版社:マガジンハウス (2017/9/7)
発売日:2017/9/7
料理レシピ本大賞 in Japan 2018
第5回【料理部門】
エッセイ賞 受賞
感想
アイスティーを
シャンパングラスに注ぎ、
凍ったレモンスライスを
ぽちゃんと乗せた。
ちびちびと飲みながら
紅茶の香りに癒される。
ああ…夏だ…。
夜はここにブランデーを入れても
美味しいのでは?と、
ほくそ笑みながら
稲垣えみ子さんのエッセイ
『もうレシピ本はいらない』を読んだ。
まずこの本は共感の嵐だ。
稲垣さんの
「温泉の朝ご飯のような和食が
1番美味しい。」という1文に
わたしは首がもげるほど
頷いてしまった。
美味しい素朴な和食。
想像しただけで
お腹が空いてくるではないか!
やはり料理の中の料理、
キングオブキング‼︎
解ります稲垣様〜!
そして思う……。
彼女のシンプルな
料理と暮らしは、
自由という名の美しい迷宮だ。
シンプルさの中に見つける
豊かさに満ちている。
間違いなく、料理に対する
新しい視点を
提供する1冊であり、
多くの人にとって
とても心強いメッセージに
なるのではないだろうか。
手間のいらない
誰でも作れる
1食200円のご飯は、
引き算だからこそ
とても美味しそうだ。
また、
わたしなど端から
凝った料理は無理〜
ʅ(◞‿◟)ʃ…と諦めているが
家族のために奮闘している
立派な方は、
この本との出会いで
気が楽になるかもしれない。
肩の荷がどっさり降りるかもしれない。
凝った料理を作れないわたしでさえ、
肩の荷が降りた。
また一方で
『老後とピアノ』のように
このエッセイは
哲学書のようでもある。
えみ子イズムに満ちた
人生観や世界観が
散りばめられている。
心の琴線に触れる言葉で
溢れている。
“そう、大きな幸せは
小さな幸せを見えなくするのである。
そのうちに、見えないだけだということも忘れてしまう。
小さな幸せなど全く存在しないかのように思い始める。
そして、さらなる大きな幸せばかりを求めるようになる。
でも本当は、
小さな幸せの中に
無限の世界がどこまても
広がっているのだ。”
(本文より)
ハッとさせられる名文に
唸ってしまう。
小さな幸せの中の無限の世界……。
その扉をわたしもそっと
開いてみたいな……。
何故かそこは、
虹色に輝いているような気がして
心がふっと軽くなる。
素敵なエッセイに
出会えた喜びの中で
わたしは本を閉じた。
そうだ、夜は
アイスティーロワイヤルを
飲むのだった。
準備をしよう。
星や月を眺めながら飲もう。
ん⁉︎……ひょっとして、
これも小さな幸せなのではないか?
とりあえず
気が付くことから
虹色の世界は
始まるのかもしれません。
よろしければ
あなたも是非
この本を
手に取ってみてくださいね。
素晴らしい
読書の時間を
お過ごしください。
おしまい。
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内容紹介
料理レシピ本大賞 in Japan 2018
第5回【料理部門】
エッセイ賞 受賞!
作りおき不要! 準備10分!
誰でも作れるワンパターンごはん、
でも、これがウマいんだ!
アフロえみ子の
1食200円
驚きの食生活を大公開
アフロで無職で独身の、
稲垣えみ子52歳。
朝日新聞退社後、
激変したのは食生活。
メシ、汁、漬物を基本に作る
毎日のごはんは、
なんと一食200円。
冷蔵庫なし、ガスコンロは一口、
それでもできる献立とは!?
何にしようか悩む必要すらない、
ワンパターンごはん。
でも、そのバリエーションは
無限で自由。
料理は、自由への扉だ!
だから自分で自分の人生を
歩みたければ、
誰もが料理をすべきなのである。
男も、女も、子供も。
自分で料理をする力を
失ってはいけない。
それは自らの自由を
投げ捨てる行為である。
(あとがきより)
●ごはんはどんな鍋でも炊ける
●味噌を湯で溶く、
究極の1分味噌汁
●最強の出汁が出る、
干しエノキ
●旬の野菜の食べ尽くし
●ぬか床は最高のお抱え料理人
●塩味グループの調味料で万全
●アフロ式10分クッキング
……目からうろこの
アイデア満載!
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著者紹介
稲垣 えみ子(いながき えみこ、1965年 – )
愛知県生まれ。
一橋大学社会学部卒。
朝日新聞大阪本社デスク、
朝日新聞論説委員、
編集委員を歴任後、
2016年に50歳で依願退職し
フリージャーナリストになる。
以来、夫なし、子なし、冷蔵庫なし、
ガス契約なしの
「楽しく閉じて行く生活」を模索中。
著書に『魂の退社』『寂しい生活』
『人生はどこでもドア』『アフロ記者』
『一人飲みで生きていく』など。
『もうレシピ本はいらない』で
第5回料理レシピ本大賞料理部門
エッセイ賞を受賞。
(ソース:Amazon)