訳:友廣純
感想
こんにちは。月子です。
今回ご紹介させて頂く本は
ディーリア・オーエンズ著作の
『ザリガニの鳴くところ』です。
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魂を揺さぶられるような名作。
凄い本に出会ってしまいました。
殺人事件から始まるミステリーですが
孤独な女性カイアの
人生を描いた物語です。
この小説の印象的な点は
自然への深い愛を持つ
カイアの生き様です。
著者は動物学者であり
細やかなディテールにこだわった自然描写は
とても美しく豊かでした。
物語の舞台である
ノースカロライナの湿地には
輝くような自然が広がっています。
湖の水面に映る空
雲の流れ
木々のざわめき
虫たちの声
そして野鳥のさえずり……。
私は、今まさにその湿地にいるかのように
その世界に引き込まれました。
木々の香りが立ち込め
蛙や鳥たちの声が
語りかけてくるようでした。
湿地に住むカイアの生きる姿は
今もなお、私の心に残り続け
深く魅了され続けています。
カイアのボートを漕ぐ音が
今も私の心に聞こえてきそうなほどに……。
一方で、辛い境遇にある彼女が抱える
孤独や悲哀に
何度も胸を締め付けられました。
それでも彼女は
自然と共に生き
繋がりを感じながら
自分自身を育て上げます。
自然が与える癒しや
力を通じて
孤独感を克服してゆく彼女の姿に
心が震えました。
読んでいるあいだ
カイアのことで頭がいっぱいになり
彼女と過ごし
眠って、起きて……
どうかカイアが守られますようにと
祈るように読み耽りました__。
濃密な読書時間を過ごしました。
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また、この小説は
社会的なテーマにも深く触れています。
様々なテーマや要素が入り組み
複雑なパターンを作り出す
まるで大きなジグゾーパズルのような
物語です。
本作の緻密なストーリー展開は
読者を引き込む力があると思います。
そして心に残り続け
いつまでも余韻は消えません。
自分にとっての
ザリガニの鳴くところにも
想いを馳せました__。
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「本屋大賞翻訳小説部門第1位、
全世界1000万部突破、
2019年・2020年
アメリカで1番売れた本 」と
話題になったことにも納得です。
圧巻の、とても魅力的な一冊でした。
なお、2022年に上映された
映画もとても素晴らしかったです。
よろしければ
あなたも是非
この本を
手に取ってみてくださいね。
素晴らしい
読書の時間を
お過ごしください。
おしまい。
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あらすじ
ノース・カロライナ州の湿地で
男の死体が発見された。
人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。
6歳で家族に見捨てられたときから、
カイアは湿地の小屋で
たったひとり生きなければならなかった。
読み書きを教えてくれた
少年テイトに恋心を抱くが
彼は大学進学のため
彼女のもとを去ってゆく。
以来、村の人々に
「湿地の少女」と呼ばれ
蔑まれながらも、
彼女は生き物が自然のままに生きる
「ザリガニの鳴くところ」へと
思いをはせて
静かに暮らしていた。
しかしあるとき、
村の裕福な青年チェイスが
彼女に近づく…
みずみずしい自然に
抱かれて生きる少女の成長と
不審死事件が絡み合い、
思いもよらぬ結末へと物語が動き出す。
全米500万部突破、
感動と驚愕のベストセラー。
(紀伊国屋書店より)
著者紹介
ディーリア・オーウェンズ
(Delia Owens)
1949年生まれ。
アメリカ合衆国の作家であり
動物学者。
彼女の処女小説
『ザリガニの鳴くところ』
(Where the Crawdads Sing、
早川書房 2020年)は、
2019年の
ニューヨークタイムズフィクションの
ベストセラーのトップに
25週間ランキングという
記録を達成した。
この本は、ニューヨークタイムズの
ベストセラーリストに
1年以上リスト入りしている。
彼女はまた、
『カラハリ 最後の野生に暮らす』
(Cry of the Kalahari、
早川書房 1988年)、
The Eye of the Elephant
(象の目),
そしてSecrets of the Savanna
(サバンナの秘密),のような、
かつて動物学の研究で
アフリカに滞在していた
当時の回顧録も
その当時の彼女の夫
マークとともに執筆している 。
オーウェンズは、
1950年代にジョージア州の
田舎で育った。
彼女と彼女の当時の夫、
マーク・オーウェンズは、
ジョージア大学で生物学を学んだ。
彼女はジョージア大学で
動物学の理学士号を取得し、
カリフォルニア大学デービス校で
動物行動学を専攻し博士号を取得している。
彼らは1974年にアフリカに移住し、
ボツワナのカラハリ砂漠で働き、
次に北ルアングワ国立公園で働き、
その後1990年代初頭に
ザンビアのムピカで働いた。
マーク・オーエンズは、
密猟者は容赦なく
「撃ち殺す」対応をしたと
非難されている。
ABCTVは、1996年に、
アンドリュー・トカック製作の
「死のゲーム : マーク・オーウェンスとディーリア」
という番組を放送している。
ナレーターは、メレディス・ヴィエイラが務めた。
この報告は、
いろいろ議論を呼んだ密猟者と
その義理の息子の射殺を扱ったものである。二人共もザンビアでは
尋問のために出頭を求められている。
オーエンスは告発を否定した。
彼女の家族はまた、
「アフリカ人についての古めかしい考え」を持っていると非難され、
ある批評家は彼らの見解を
「アフリカ人を上から目線で哀れんでいる」と批評した。
生物学の博士号を取得して以来、
彼女はアフリカの野生生物の
行動生態学に関する研究を
Nature、 Journal of Mammalogy、
Animal Behavior、 African Journal ofEcologyなどの
専門雑誌に発表している。
彼女はまた、より多くの聴衆を対象としたNatural Historyや
International Wildlifeにも
記事を寄稿している。
ディーリアとマークは離婚している。
ディーリア・オーウェンズは
アイダホ州バウンダリー郡に住んでいる。
オーウェンズは、
ジョージア州ストーンマウンテンの
野生生物保護のための
オーウェンス財団の
共同創設者でもある。
彼女はまた、International Wildlifeの
定期寄稿者として働き、
北米全体で講演を行い、
米国中のハイイログマの
保護活動に参加してきた。
(ソース: ウィキペディア)
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アメリカ・ジョージア州出身。
動物学者、小説家。
69歳で初めて出筆したフィクション『ザリガニの鳴くところ』が
世界中でベストセラーに。
全国の書店員が投票で選ぶ
「本屋大賞」翻訳小説部門の
1位に選ばれた。
全世界で1200万部、
日本でも26刷8万部を超える。
著書に、ボツワナの
カラハリ砂漠での体験を記し、
世界中でベストセラーとなった
ノンフィクション
『カラハリが呼んでいる』
(マーク・オーエンズとの共著、
ハヤカワ文庫)。
(ソース:好書好日)
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好書好日のインタビューより
小説『ザリガニの鳴くところ』の
「日本の表紙(装画)が
一番きれいで気に入ってます。
柔らかい色が使われていて、
小説の主人公カイアが
住んでいるような、
平和な雰囲気が
醸し出されているところが
素敵です。」と述べている。
現在、ノースカロライナに在住。
山に囲まれた自然の中で、馬たちと一緒に暮らしている。
――「ザリガニの鳴くところ」はいつ頃書き始めたのですか?との質問に
「この本を書くのに
10年かかりました。
今73歳なので(2022年)
60代前半から書き始めました。
長い間動物学者として
キャリアを積んでいたのですが、
そろそろ引退という時期に来て
新たな挑戦を始めました。
当時はアイダホ州に住んでいて、
熊や狼の研究をしていました。
朝、4時半に起きては
書いていました。
小説を書くことは
キャリアを積む必要もなく
自由にできたので、
新しいことを始めるのにも
いいタイミングでした。」と
答えている。
(ソース:好書好日)
著者メッセージ
小説を書くときは、
次々とページをめくりたくなるように物語が展開することを
念頭に置いていました。
主人公のカイアには、
いろいろな困難に
何度もぶつかっても
立ち上がって生きていくという、
私たちみんなに
共通するところがあります。
世界中の読者が
共感してくれたことで、
あらためてカイアは
みんなの中にあるんだと思いました。
この本が出版されたのは2018年で、コロナ禍の前でしたが、
その後ステイ・ホームなどで
読書をする人も増え、
孤独なカイアに共感する人も
増えるという、偶然の部分も
多かったのです。
カイアがどんなに孤独で
いろいろな困難に会っても、
そのたびに明るくハッピーに
人々と接して、
のびのびと生きてきたという点が、
読者の共感を得た理由だと思います。
人間の行動は
動物たちに近いものがあり、
本能に突き動かされることが
多くあるのです。
人間は時に本能のみに従って、
薄っぺらな行動をすることがあります。
それは自然が
我々が生き延びるために教えてくれるメッセージでもあります。
人間は人間を必要とします。
カイアは孤独に置かれた状況の中で、ずっと誰かとつながりたいと
思いながら生きています。
人と人がつながることが
どれ程重要かという
メッセージなんです。
(ソース:好書好日)
受賞歴
・1981 – カラハリ研究プロジェクトで
ロレックス業績賞
(元夫のマーク・オーエンズと共同受賞)
・1985 – 米国自然史博物館の
ジョン・バロウズ 賞
(マーク・オーウェンズと)
・1993 – カリフォルニア大学
優秀卒業生賞
・1994 – 黄金の方舟の漕手賞(Netherlands)
・2021年-本屋大賞翻訳
小説部門第1位
(ザリガニの鳴くところ)
(ソース: ウィキペディア)