『ファーストラヴ』島本理生/おすすめ本!感想あらすじ

【第159回直木賞受賞作】
 2021年 映画化

目次

感想

こんにちは。月子です。
今回ご紹介させて頂く本は
第159回直木賞を受賞した
島本理生さん著作の
『ファーストラヴ』です。

タイトルがファーストラヴなだけに
てっきり恋愛小説なのだろうと
思いきや……
女性とドクロという表紙の不穏さ。
ああ、これは私の好きなミステリーか
サスペンスなのだと思い直し
読み始めたのですが、
とんでもない!
ただのミステリーではありませんでした。

ガツンとくる衝撃、
見事な心理描写と心理戦。

主人公と一緒に私も
謎に満ちた心の葉脈へと
落ちていきました。

登場人物それぞれに闇があり
その過去が明らかになるにつれ
グイグイと引き込まれていきます。
最後まで展開が読めず
ドキドキしながら夢中で読みました。

読後には、『ファーストラヴ』という
タイトルが、改めて意味のあるワードに
なります。
誰の?何のファーストラヴ?と
いろいろ言われているようですが
そこは読み手と本の出会いによって完成する、
それぞれの物語で
良いのではないかと
勝手に私は思っています。

この本と、
読み手の中にある風景や感情が
メロディのように響き合い
ひとつの物語が完成する__。

同じ本を読んでも
読み手の数だけ物語がある。
その人その人の世界が広がっていく。
それが読書の醍醐味ではないでしょうか。

そう考えると、ますます
『ファーストラヴ』というタイトルが
秀逸だと思うのです。

そしてこの物語は、切ない中にも温かみもあり
誰にも受け入れてもらえなかった人が
居場所や拠り所を見つけていく様は、
暖かな明かりがぽうっと
心に灯るようでした。

スリリングに練り上げられた
緻密なストーリー展開にも
圧倒されました。

✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・☽:゚・⋆✰⋆。:゚・

最後の解説では、朝井リョウさんが
想像することについて
述べられているのですが
あまりに素敵な言葉でしたので
記載いたします。

『想像することをサボれば、
自分とは別の肉体が生きる景色を
知ることはできない』

『簡単に理解できないものに
出会ったときこそ、
断絶を感じ距離を取るのではなく、
想像するスイッチを授けられた幸運を
噛み締めたい』

想像することの大切さ、
想いが、
心に響きます。

✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・

よろしければ
あなたも是非
この本を
手に取ってみてくださいね。

想像のスイッチを入れ
主人公と一緒に
心の葉脈へと潜ってください。

素敵な
読書の時間を
お過ごしください。

おしまい。

Audible

(↑↑Amazonが提供する聞く読書、オーディブル。ラジオ感覚で聞けてとっても便利です。
私は家事をしながら聞いています。今ではすっかり家事の時間が楽しみに変わりました。おすすめです!)

あらすじ

夏の日の夕方、多摩川沿いを
血まみれで歩いていた女子大生
聖山環菜が逮捕された。
彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、
あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。
環菜は就職活動の最中で、
その面接の帰りに凶行に及んだのだった。
環菜の美貌も相まって、
この事件はマスコミで大きく取り上げられた。
なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?

臨床心理士の真壁由紀は、
この事件を題材とした
ノンフィクションの執筆を依頼され、
環菜やその周辺の人々と
面会を重ねることになる。
そこから浮かび上がってくる、
環菜の過去とは?
「家族」という名の迷宮を描く長編小説。

「この世界で、人はレールからはずれることができず苦しみ続ける。
涙を流さずに泣くことの意味を、
僕はこれからも考えていくと思う。」
俳優・坂口健太郎

(ソース:Amazon)

著者紹介

島本 理生(しまもと りお)
1983年〈昭和58年〉5月18日 生まれ

東京都板橋区生まれ。
母は舞踏家・鍼灸師の長岡ゆり。
島本が幼少期に実の父と離婚。
その後すぐに母は再婚するが
高校進学以降に両親が離婚し、
母子家庭になる。
母子家庭の経験はのちに
『リトル・バイ・リトル』に
反映されている。

小学生のころから小説を書き始める。
1998年、15歳のときに『ヨル』が『鳩よ!』掌編小説コンクール第2期10月号に当選、
年間MVPを受賞する。

17歳でデビュー。

2003年、東京都立新宿山吹高等学校を卒業し、
立教大学文学部に入学(2006年に中退)

23万部を超えるベストセラーとなった。
『ナラタージュ』の執筆で
半年間キーボードを叩き続けたため
腱鞘炎になった。

2006年に佐藤友哉と結婚、
その後離婚するも、
2010年末に復縁し再婚。
2011年に第一子を出産。

(ソース: ウィキペディア)

受賞歴

2001年、『シルエット』が
第44回群像新人文学賞の優秀作に選ばれる。

2003年、『リトル・バイ・リトル』で
第128回芥川龍之介賞候補。

『リトル・バイ・リトル』で
第25回野間文芸新人賞を受賞。
受賞時20歳で、同賞史上最年少の受賞となる。

2004年、『生まれる森』が
第130回芥川龍之介賞候補。

2005年、『ナラタージュ』が
第18回山本周五郎賞候補となる。

同作品は「この恋愛小説がすごい!
2006年版」(宝島社)第1位、

「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」で
第1位、

本屋大賞で第6位、

23万部を超えるベストセラーとなった。

2006年、3月12日放送の『王様のブランチ』で
『ナラタージュ』特集が組まれ、
初めてテレビに出演。

同年、『大きな熊が来る前に、おやすみ。』が第135回芥川龍之介賞候補。

2007年、『Birthday』が
第33回川端康成文学賞候補となる。

2011年、『アンダスタンド・メイビー』で
第145回直木三十五賞候補。

2015年、『Red』で
第21回島清恋愛文学賞受賞、

『夏の裁断』で
第153回芥川龍之介賞候補。

2018年、『ファーストラヴ』で
第159回直木三十五賞受賞。

(ソース: ウィキペディア)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次