
あらすじ
☆2025年本屋大賞受賞作☆
【第8回未来屋小説大賞】
【第1回あの本、読みました?大賞】
一緒に生きよう。
あなたがいると、きっとおいしい。
やさしくも、せつない。
この物語は、心にそっと
寄り添ってくれる。
✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・
最愛の弟が急死した。
29歳の誕生日を
祝ったばかりだった。
姉の野宮薫子は
遺志に従い
弟の元恋人・小野寺せつなと
会うことになる。
無愛想なせつなに
憤る薫子だったが、
疲労がたたり
その場で倒れてしまう。
実は離婚をきっかけに
荒んだ生活を
送っていた薫子。
家まで送り届けてくれた
せつなに振る舞われたのは、
それまでの彼女の態度からは
想像もしなかったような
優しい手料理だった。
久しぶりの温かな食事に
身体がほぐれていく。
そんな薫子にせつなは
家事代行サービス会社
『カフネ』の仕事を
手伝わないかと提案する。
食べることは生きること。
二人の「家事代行」が
出会う人びとの暮らしを
整え、そして心を
救っていく。
(ソース:Amazon)
感想
猛暑の候、
外を歩けば汗だくのサウナ状態。
道行く淑女たちは
片手に日傘、
もう片手にはハンディファン。
かくゆうわたしの
暑さ対策といえば
忍者の如く、
日陰から日陰へ
サササッと移動。
相当に怪しい人物に
映っていることだろう。
そして念じるのだ。
家に辿り着いたら
スイカを食べるのだ。
そうだ、外が暑いほど
冷たいスイカは
美味しいのである!
(桃の時もある。
え?どうでも良い!?)
そうして何とか
やり過ごしている昨今。
このままでは
冷蔵庫に引っ越すしかないのでは?
と思いつつ
せめて心だけでも涼やかにと願い、
2025年本屋大賞受賞作、
『カフネ』を読んだ。
ポルトガル語の
「カフネ (愛する人の髪を
そっと撫でる仕草)」
のタイトルにも
象徴されるように、
言葉にしなくても
伝わる優しさが、
物語全体に
静かに流れている。
悲しみや喪失感から
始まる物語でありながら、
いつの間にか
じんわり温まり
感動していた。
そして美味しそうな
せつなの料理描写は
心がゆっくりと
潤ってゆき、
「食べることは生きること」という
テーマの重みを
強く感じさせてくれる。
一方で、
個人的に印象に残ったのは、
作中に出てくるせつなのセリフ。
〝家族だって、恋人だって、
友達だって、同じ家に住んでたって、
セックスしてたって、
人間は自分以外の人間のことは
何ひとつわかるわけないんだよ。
わかったような気がしても
それはただの思い込みに過ぎない。〝
(本文より)
という1文だ。
人は人の姿を見て、
言葉を聞いて、
「わかった」と思いたがる。
けれどそれは、
自分の心の中の鏡にすぎないのだろう。
相手の奥深くを映しているようで、
実は自分の期待や
記憶の色で
濁っているに違いない。
“わかりたい”という願い
が、
ときに”わかっている”という
錯覚を生んでしまう。
でもこの物語は静かに
語りかけてくれる……。
人は、わからない存在として
隣に立つしかないのだと__。
手を差し出すことはできても、
その奥に流れる記憶や、
崩れそうな感情の岸辺までは
届かない。
それでも、わからないままで、
寄り添おうとすること
しかないのだと。
カフネのように
髪をなで
存在を撫でるように……。
読後、心に残った
静かな温もり。
「わたしはあなたを
わからないだろう。
だけどわかりたいと思うし、
わからないあなたを大切に思う」と
伝えられたらいいな……。
✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・
目が離せないストーリー展開も
素晴らしく、
惹きつけられ、
一気読みしてしまいました。
(またもや目の下にクマが…)
強くおすすめの1冊です。
よろしければ
あなたも是非
この本を
手に取ってみてくださいね。
素晴らしい
読書の時間を
お過ごしください。
おしまい。
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阿部 暁子(あべ あきこ)は、日本の小説家。
岩手県花巻市出身、
県内在住。
2008年に『いつまでも』(刊行時『屋上ボーイズ』に改題)で
第17回ロマン大賞を受賞し、
コバルト文庫からデビューする。
・2008年 – cobalt短編小説新人賞 『陸の魚』
・2008年 – 第17回ロマン大賞 『いつまでも』
・2020年 – 『本の雑誌』が選ぶ2020年度
文庫ベストテン:第1位『パラスター』
・2024年 – 第8回未来屋小説大賞『カフネ』。
・2025年 – 第22回本屋大賞『カフネ』
(ソース:ウィキペディア)