
あらすじ
「俺らマブになろうぜ」
40歳の波那(はな)の
目の前に現れたのは、
上下金色でかためた
アッパーな53歳の義母・張子(ちょうこ)だった。
出会ったその足で
飲みからカラオケにはしご、
昼休憩に美容整形、
勢いで韓国へ弾丸旅行、とエネルギッシュな張子に
付き合っていく。
そのうち、嫁姑を超え、
同じ女性として、
人間として、改名、
結婚式の有無、
子供を持つことから始まり、
お互い夫にも息子にも話したことのない
過去や心に残るわだかまりと後悔、
人生の選択について語り合うようになる。
(上記のソース:Amazon)
互いの胸の奥にしまい込んでいた思いを
語り合うなかで、波那は
「自分らしく生きること」の
意味を見つめ直していく。
常識や世間体に縛られず、自分の欲望や本音に正直に
生きる張子。
その破天荒な生き方は
波那を戸惑わせながらも、
少しずつ彼女の価値観を揺さぶっていく。
女性たちが人生の選択と
向き合い、
自分自身を取り戻していく
愛しい物語である。
感想
『マザーアウトロー』を読んで、真っ先に思った。
「こんなお姑さんがいたら、嫁姑問題どころか、
毎日がコントになりそうだ!」
ぶっ飛んでいて、豪快で、自由そのもの。
主人公のお姑さん
張子(ちょうこ)さんの
破壊力たるや、台風並み。
しかし、その台風が吹き飛ばしてくれるのは、
世間体や常識という名で隠した、
胡散臭い余計な荷物
なのだからありがたい。
周りから浮いてはいけない。
無難に、当たらず触らず、常識を重んじて…..。
知らず知らずのうちに、
そんな窮屈な鎧を着込んでいたのは、
主人公だけではない。
私自身もそうだ。
そういう人は、
日本人に少なくないのではないだろうか。
そこを、張子(ちょうこ)さんは
「そんなものクソ
喰らえだ!」と
言わんばかりに、
鎧を木っ端みじんにしてくれる(笑)
なんとも痛快で
惚れ惚れするのだ。
そしてユーモアに溢れてとても愛らしい……。
読みながら思った。
人に迷惑をかけなければ、もっと自由でいいんだ‼︎
胸の中でそう叫んだ瞬間、
私の心が「ぷはーっ!」と
大きく深呼吸したのがわかった。
そして印象に残ったのは、
「人付き合いは個と個の付き合い」という言葉だ。
嫁だから、姑だから、母だから……
夫婦だから、親子だから……
そんな肩書きよりも、
一人の人間同士として向き合う。
そのおおらかさに深く共感した。
人生は、世間の顔色をうかがう大会ではない。
もっと自由に、もっと自分らしく生きていい。
『マザーアウトロー」は、
そんな当たり前だけれど
忘れがちなことを、
説教くさくなく、
笑いとともに教えてくれる。
読み終えた今、私の中にも小さな張子(ちょうこ)さんが住みついている。
そして何かに縛られそうになるたびに、
叫ぼうと思う。
「そんなもん、クソ喰らえだ!」と。
✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・
そして、
もちろん面白おかしいだけの物語ではなく……
登場人物の衝撃的な暗い過去が
やがて浮き彫りになってゆく。
笑いに包まれた物語の奥には、
孤独や心の傷、
誰にも理解されなかった痛みが
静かに横たわっていた。
だからこそ、彼女たちが少しずつ
自分らしさを取り戻していく姿が、
いっそう愛おしく胸に迫る。
人間の複雑さや弱さにも
光を当てながら、
それでもなおユーモア
を失わない。
型破りな人々の生き方が
いっそう輝きを帯び、
読み終えたあとには
不思議な温かさが残った。
灯台のように光を照らす、
そんな頼もしさに満ちた
1冊だ!
✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・
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著者紹介
金原 ひとみ
(かねはら ひとみ)
生誕
1983年8月8日(42歳)
東京都
職業 小説家
文化学院高等課程中退
活動期間
2003年 –
ジャンル
小説
配偶者
なし(2005年 – 2024年離婚)
子供 娘2人
✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・
1993年、10歳、
小学4年生のとき不登校になる。
1995年、12歳、
小学6年生のとき、
父親の留学に伴い、
1年間サンフランシスコに一年間暮らす。
滞在時には父の見繕ってくれた日本語の小説
(村上龍や山田詠美)を読み、小説を書き始める。
1997年、14歳、
中学3年生の時、
父が法政大学で開いていたゼミに、
「めいっ子の高校生」として
参加するようになる。
そこでジョルジュ・バタイユの
『眼球譚』に出会う。
15歳のころリストカットを繰り返す。
1999年、16歳、
同人文芸誌『ゆず』14号に「風鈴」の名義で
「ヴァンパイア・ラブ」を
発表[要出典]。
同年、文化学院高等課程中退。
中学、高校にはほとんど通わなかった。
19歳の時、周囲の勧めを受けてすばる文学賞に応募。
2003年、20歳で
「蛇にピアス」で
第27回すばる文学賞を
受賞し作家デビュー。
2004年、同作で
第130回芥川賞を
綿矢りさと共に受賞。
2005年、集英社の
担当編集者と結婚。
2007年、アニメ映画
『カフカ 田舎医者』で
映画初出演。
第1子(長女)を出産。
2010年、「夏旅」で
川端康成文学賞最終候補。
『トリップ・トラップ』で
第27回織田作之助賞を受賞。
2011年、東日本大震災に
伴って発生した原発事故による放射能汚染を心配して、
東京から父親の実家がある岡山県に移住し
次女を出産。
その後フランスへ移り住む。
2012年
『マザーズ』で
第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞
(選考委員:髙樹のぶ子)。
2018年、フランスから
帰国し再び日本を拠点に
執筆をする。
2020年、『アタラクシア』で
第5回渡辺淳一文学賞を
受賞。
2021年、『アンソーシャル ディスタンス』で
第57回谷崎潤一郎賞を
受賞。
2022年、
『ミーツ・ザ・ワールド』で
第35回柴田錬三郎賞を受賞。
2024年、離婚したことを公表した。
2025年、『YABUNONAKA―ヤブノナカ―』 で
第79回毎日出版文化賞文学・
芸術部門を受賞。
2026年4月から
『カンブリア宮殿』のMCを務める。
(ソース:ウィキペディア)