小野不由美 『魔性の子』から始める十二国記|感想・レビュー・あらすじ

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目次

あらすじ

高校教師として
母校に赴任した広瀬は、
学校で起こる不可解な出来事に
次第に巻き込まれていきます。

その中心にいるのは、
どこか現実離れした
雰囲気を持つ少年、
高里。
彼の周囲では、
奇妙な事件が次々と
起こり始めます。

いったい何が起こっているのか。
そして、高里とは何者なのか。

日常のすぐ隣にあるような
学校という場所が、
少しずつ異様な世界へと
変わっていく――。

小野不由美さんの
『魔性の子』は、
単独のホラー小説として
楽しめる一方で、
読み進めるうちに
『十二国記』へと
つながる世界が
見えてくる物語です。

感想

怖い物語が好きです。
怖いのは平気なのに、
巻数には立ち向かえなかった。

『十二国記』は、
ずっと気になっていたのですが、
あまりにも巻数が多い。

私の前に立ちはだかった
長編の壁は高かった。

いつか読んでみたいと思いながら、
気づけば数十年。

そんなある日、
ちょうどエピソードゼロにあたる
『魔性の子』は、

独立した1冊の物語として成立する
ホラー・ファンタジー
だと聞きました。

それならば、と。

どれどれ。

ようやく重い腰を上げて、
読み始めたのです。

ところが、
読み始めてみると——

思っていたより、ずっと怖い。
ずっと面白い!
不穏な気配が、
じわじわと迫ってくる。

しかし一言、
言わせてください。
夜に一人で読むんじゃなかった。

容赦ないホラーパンチを
くらうので、ご注意を。

ホラーが苦手な方は、
先に『十二国記』の世界を
知ってから読むほうが、
恐怖がずいぶん和らぐとも
言われています。

一方、私のように
不穏な気配に惹かれる方なら、
私はむしろ『魔性の子』から
入ることをおすすめしたいです。

(十二国記の途中で
『魔性の子』を読む場合、
どのタイミングで
読むかについては
諸説あります。)

✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・

小野不由美さんの『魔性の子』は、
現実の隙間にひっそりと開いた
暗い淵を覗き込むような
作品でした。

少年の周りで繰り返される
不可解な惨劇。

彼を害そうとする者に、
容赦なく下る「祟り」。

物語全体を覆う、
重苦しく、どこか歪んだ空気。

ページをめくっているだけなのに、
部屋の空気まで
少し変わったような。

そんな不穏な世界に、
すっかり引き込まれて
しまいました。

けれど、この物語で私の胸に
強く残ったのは、
恐怖だけではありません。

異物を受け入れられない人間の
身勝手さと残酷さが、
容赦なく浮かび上がるたびに、

怖いのは、
異界のものだけではない。
むしろ、
私たちが暮らしている
「こちら側」の人間のほうが、
時としてずっと怖い。

そんなことを考えさせられます。

また、何を言っても理解されない。
どこにいても馴染めない。
周囲から異質な存在として
見られてしまう。

そんな彼の孤独が、
胸に刺さりました。

✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・

『魔性の子』は、
逃げ場ゼロの絶望感を
最高のエンタメに昇華させた、
中毒性抜群の1冊。

最後まで息を呑まされました。

そして私は、
この素晴らしい衝撃のまま、
十二国記シリーズへと
足を踏み入れてしまったのです。

こちらも無論、
傑作ですから、
現在、寝不足と戦いながら
怒涛の勢いで異世界にダイブ中。

私の睡眠時間を奪った
小野不由美先生に感謝しつつ、

今日も「目の下にクマ」が確定です。

著者紹介

小野 不由美
(おの ふゆみ、
1960年12月24日 -)
大分県中津市出身、
京都市在住。
血液型はO型。
夫は推理作家の綾辻行人。

父親は設計事務所を経営し、
幼いころから図面に
馴染みがあり、
長じて建物に対する興味が湧く。
また、出身地には
怪奇伝説や伝承が多く、
幼少期から両親にせがんで
怪奇話を聞く。

大谷大学文学部仏教学科に
入学する。在学中に
京都大学推理小説研究会に
所属する。
当時のペンネームは
宇野冬美[要出典]。
同時期の部員には、
後に小説家となる綾辻行人
・法月綸太郎・我孫子武丸
らがいた。1986年、
部員仲間の綾辻行人と
学生結婚する。
同年、大学を卒業。
大学院に在籍するも、
学資が尽き自主退学。
目標を見失うが、
大学時代に書いた
小説を読んだ編集者から
小説を書かないかと誘われる。
それまで小説家になろうと
積極的に考えたことは
なかったという。
1988年、『バースデイ・イブは
眠れない』で講談社X文庫
ティーンズハートから
デビューする。

(ソース:ウィキペディア)

受賞歴

1993年 – 『東亰異聞』が
第5回日本ファンタジー
ノベル大賞の最終候補。

1999年 – 『屍鬼』が
第12回山本周五郎賞、
第52回日本推理作家協会賞
(長編部門)候補。

2002年 – 『黒祠の島』が
第2回本格ミステリ大賞の
最終候補。

2003年 – 『くらのかみ』が
第4回本格ミステリ大賞の
最終候補。

2013年 – 『残穢』で
第26回山本周五郎賞を受賞。

2019年 – 『営繕かるかや
怪異譚 その弐』が
第10回山田風太郎賞候補。

2020年 – 「十二国記」シリーズで
第5回吉川英治文庫賞受賞。

(ソース:ウィキペディア)

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